2011.9.25 股関節(太ももの付け根)のお話⑤
臼蓋形成不全症とは難しい言葉です。
わかりやすく言いますと
「骨盤側の臼蓋という部分=屋根の部分が発育不全(形成不全)」
本来あるべき屋根が足りないと言い換えるとわかりやすくなるかもしれません。
前回お話した、先天性股関節脱臼に起因する先天的(生まれつき)な要因の強いもの、または先天性股関節脱臼がなくても臼蓋の発育が不完全な後天的なものがあるようです。
つまり臼蓋(骨盤側)の発育が不良で小さく、大腿骨頭(だいたいこっとう)を十分に覆うことができない状態をいいます。
体重の数倍の力がかかる関節ですから、骨頭をうける臼蓋の面積が狭いと、その狭い接触面に集中的に力が加わることになります。
(ヒールで足を踏まれると痛い!)
その結果、軟骨に傷がついてすり減ったり、変形を起こしたりして、変形性股関節症を引き起こしやすくなり、いろいろな障害も認めてきます。
2011.9.19 股関節(太ももの付け根)のお話④
今回は、前回のお話で少し触れた[先天性股関節脱臼]に関するお話です。
[先天性股関節脱臼]:とは出生前および出生後(出生時)に大腿骨頭が関節包の中で脱臼している状態をいいます。脱臼という言葉は、本来ある場所から、違う場所へ移動してしまうことをいいます。
わかりやすく言えば股関節が生まれつき外れてしまっていることです。
発生率は出産1,000に対して1~3の割合(0.1%~0.3%) 男女比は1:5~9と女子に多いと言われています。
そ の原因は、複雑で色々な因子が関与していると考えられており、欧米人に比べてアジア 人、特に日本人に多いといわれています。その原因として人種的要因の他に、巻きオムツ などを使用し新生児の下肢の動きを妨げるような文化的習慣が我が国にあったことが
大きく影響しているといわれておりますが・・・真意はわかりません。全身関節・靭帯弛緩性(関節・靭帯がゆるい)、ホルモン分泌、遺伝的素因などが関与し ているとされ、出産前の胎内異常位(お母さんのお腹の中)、出生後の股関節肢位等が関与していると言われています。
2011.9.11 股関節(太ももの付け根)のお話③
前回までは股関節の基礎のお話をさせて頂きました。
本日より股関節に関する詳しいお話をさせていただきます。
股関節痛を引き起こす疾患 (病気)とは?
いわゆる股関節が痛くなったり、動かしにくくなる病気のことです。
その代表的疾患(病気)としまして、①変形性股関節症 、②大腿骨頭壊死症(だいたいこっとうえししょう)、③関節リウマチ ④外傷(骨折・脱臼など) ⑤腰椎疾患(病気)などが挙げられます。
変形性股関節症とは、関節を滑らかに動かすために骨の表面を覆ってクッションの役目をしている軟骨が、何らかの原因によってすり減ってしまうために起こる病気です。
上記の写真の青色部分が軟骨です。
変形性股関節症は女性に多い病気であることが特徴です。
もちろんそれには原因があります。「先天性股関節脱臼」や「先天性臼蓋形成不全(せんてんせいきゅうがいけいせいふぜん)」が女の子に多いこと、女性は男性に比べ関節が緩く周りの筋力も弱いこと、また女性は骨盤が横に広いので身体の中心線から股関節が遠くなるとより大きな力がかかること、などが関わっていると考えられています。
2011.9.3 股関節(太ももの付け根)のお話②
前回の続きです。
病的(病気)あるいは外傷(けが)を負った股関節では、この安定性と可動性が制限されることになるわけで、歩行はもちろん、更衣・靴下着脱・足の爪きり・車の運転・物の上げ下げ・階段昇降といった幅広い日常生活動作が制限されてしまいます。
前回もお話ししましたように股関節は下肢と骨盤を繋ぐ関節で荷重関節(体重を支える関節) として重要な役割をしています。
歩いている時には体重の2.5~3倍の圧迫力が股関節に加わり、走っている時には体重の5.5倍に増加するとされていて、階段昇降、椅子からの立ち上がりでは、体重の6-7倍の力が、さらに、床や低い位置からの立ち上がりでは、10倍の力が股関節にかかります。
普段の日常活動でさえも非常に高い関節力が生じます。この大きな関節力を分散させて関節を保護するためにこの安定した構造が必要となるのです。
狩谷 哲 Dr
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